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[地球の悲鳴]ビッグメルト

2008
人間がのうのうと生きている間に自然は牙をむきはじめている。
この恐ろしい状況は今、現在も進行中である。
この現実をどうすればいいのか・・・・・・・・・・・

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ひと夏の間に60メートルも氷がなくなった、アイスランドのソルヘイマ氷河。
気温の上昇に伴い、この氷河は過去10年で500メートルも後退した。
文=ティム・アペンゼラー(本誌英語版編集部)、
写真=ジェームズ・バローグ(c)2007 National Geographic magazine

南極やグリーンランドなど、世界中の氷床や氷河が科学者の予想を上回る速度で解け始めた。暴走する「地球温暖化」の実態に迫る衝撃ルポ。



 南米ボリビア、標高5260メートルのチャカルタヤ氷河に、こじんまりとしたスキー場がある。世界で最も高い所にあるスキー場だ。設備といえば、長さ1キロ足らずのゲレンデが1カ所と、古びた簡易リフトがあるだけ。空気の薄さからくる頭痛を紛らわすため、スキーヤーはコカの葉を煎じたお茶を飲んでいた。「こんなスキー場でも私たちには誇りでした。各国の選手を招いて、南米スキー選手権を開催したこともあるんです」と、ボリビア山岳クラブのウォルター・ラグナ会長は感慨深げに語る。

 

 そんな自慢話も過去のものになりつつある。この高地にスキー場ができたのは、小さな氷河があったおかげだ。雨期になると氷河に雪が積もり、どうにかゲレンデらしきものになる。1939年にスキー場がオープンした時には、すでに氷河は解け始めていたが、ここ10年ほどで一気に後退し、昨年には氷の塊が3カ所残るばかりになってしまった。今や一番大きい氷塊でも直径200メートルほどしかなく、リフトの下には岩だらけの地面が広がっている。

 

 高山の氷河から極地の広大な氷床まで、地球上のあらゆる場所で、誰も予想しなかった勢いで氷が解けている。91年からチャカルタヤの氷河を観測してきた科学者たちも、まだ数年は安泰とみていた。地球温暖化が進めば、氷河が解けるのは十分予想されていたが、そのスピードは科学者の予想を超えていた。気温の上昇ペースからは考えられないほど急速に、氷の融解が進んでいる。

 

 氷河や氷床は、わずかの気候変動にも敏感に反応することがわかってきた。グラスの中の氷が一定のペースで解けるのとは違い、氷河や氷床はいったん解け始めると、どんどん融解が進む傾向がある。チャカルタヤの場合は、氷河の一部が解けて黒っぽい岩が露出したため、太陽熱をよく吸収するようになり、融解が加速した。生じた変化がさらに悪影響を及ぼす負のフィードバック効果だ。そうして山岳地帯や極地の氷床は急激に縮小しつつある。

 

 21世紀の終わりまでには、アルプスの氷河はほとんど消えるだろう。アンデスやヒマラヤ山中に散らばる小さな氷河の寿命はせいぜい数十年程度だ。ボリビアやペルー、インドなどでは、氷河から流れてくる水を、飲料水や農業用水、水力発電に利用して多くの人々が生活している。氷河が消えれば、その暮らしは大打撃を受けるだろう。





 グリーンランドと南極を覆う広大な氷床にしても、解けるペースが突然速まったため、いつまでもつかは専門家にもわからない。グリーンランドの氷床を調べている米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所のエリック・リグノットによると、融解のペースはこの10年ほどで2倍になったという。「5年前なら、『絶対あり得ない』と言われていたような現象が、いま現実に起きています」。グリーンランドと南極の一部にあるもろい氷床が崩壊すれば、海面が上昇して世界各地の島々や沿岸地域が水没する。低地にあるバングラデシュやオランダ、米国フロリダ州などが水浸しになり、何千万もの人々が生活の場を失うことになる。

 

 海面が一気に上昇し始めるまで、もはや猶予はないのに、この期に及んでまだ多くの科学者が、石炭や石油、天然ガスの消費を大幅に減らせば最悪の事態を回避できると考えている。だが、地球温暖化は着々と進行し、これまで通りの経済活動をあと50年続ければ、完全に手遅れになることはほぼ間違いない。

 

 地表に露出している太古のサンゴは、過去にも気候が温暖化し、海面が上昇した時期があったことを物語っている。米国フロリダ半島の先端のキー諸島やバミューダ諸島、バハマ諸島の沿岸からやや内陸にみられるこうしたサンゴは、今からおよそ13万年前の温暖な時期(間氷期)に形成された。当時は、海面が今より4.5~6メートル高かった。つまり、現在グリーンランドにある氷床の大半が、解けた水の状態で海面を押し上げていたということだ。

 

 当時の温暖化が進んだ理由は、化石燃料から排出される温室効果ガスが増えたためではない。地球の自転軸の傾きと公転軌道が変わったことが理由で、北極圏の夏の気温は今よりも3~5℃高かった。現在の温暖化のペースからすると、北極地方の気温が当時の水準に達するのは時間の問題だろう。

 

 気温がそのように急上昇しても、氷床は数千年かけてゆっくり解けて小さくなるにすぎない――コンピューターによるシミュレーションがはじき出す予測は、たいていそんな内容だ。こうした予測が正しければ、海面の上昇は差し迫った脅威ではないということになる。だが、グリーンランドの氷床で実際に起きている事態を見れば、とても悠長に構えてはいられない。


[地球の悲鳴]ビッグメルト(2)――滑りだすグリーンランドの氷河  へ
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ひと夏の間に60メートルも氷がなくなった、アイスランドのソルヘイマ氷河。
気温の上昇に伴い、この氷河は過去10年で500メートルも後退した。
文=ティム・アペンゼラー(本誌英語版編集部)、
写真=ジェームズ・バローグ(c)2007 National Geographic magazine

スイス生まれの気候学者コンラッド・ステフェンは過去15年にわたり、グリーンランドの内陸に観測キャンプを設けて、氷の状態を調べてきた。昨年の夏、再びグリーンランドを訪れたステフェンは、沿岸の町イルリサットに滞在し、ヘリコプターで内陸部のキャンプに飛び立とうと待機していた。「至る所で、異変を肌で感じます」と、ステフェンは話した。

 沖合に目をやると、薄明かりのなか、銀色に輝く氷山の小さな塊がいくつも浮かんでいた。海面に漂う数多くの氷山は、目に見える形で異変を知らせている。これらは近くのフィヨルド(氷河の浸食でできた湾)の奥、ヤコブスハン氷河から崩れて、沖に流れていった氷山だ。
氷は、その一片を手に取ってみれば石のように固い。だが、固体の氷も、大量に集積すると水飴のように粘性をもち、ゆっくりと流れだす。グリーンランドでは、日本の国土面積の5倍近い広大な氷床が、内陸から沿岸に向かって流れている。陸上で踏みとどまるものもあるが、そのまま海に流れ込む“氷の河”もある。
ヤコブスハン氷河は幅6.5キロ、厚さはほぼ1キロあるグリーンランド最大の氷河である。その流速はこの10年で2倍になり、1日に約37メートルも進むようになった。今では、毎年46立方キロの氷の塊が海に流れ出し、フィヨルドでは次々に新しい氷山が生まれている。

グリーンランドの別の場所でも、氷河の流れは速くなっている。昨年、NASAの研究者リグノットは衛星のレーダー観測で、グリーンランド南部にある氷河のほとんどで、流速が増していることを突き止めた。リグノットの計算では、グリーンランド全土で2005年に失われた氷は224立方キロに達する。これは、10年前と比べて2倍以上の量で、科学者たちの予想を大きく上回る。「氷床の崩壊が始まったようです」と、グリーンランドと南極の観測を指揮するNASAのワリード・アブダラティは警告する。

ヤコブスハン氷河の流れが速まるのと同時に、氷河の先頭で海に浮かんでいる先端部も崩れて後退し始めた。2000年以降、ヤコブスハン氷河の先端は6.5キロ後退した。グリーンランドのほかの氷河でも、先端が部分的に崩れたり、全壊してしまったところは多い。実は先端が崩れたために、氷河の流れが速まっている可能性がある。「先端に浮いた氷は、陸側にある氷が海に流れ出すのを食い止める役割を果たしています。その氷が解けてしまうと、ちょうど栓が抜けたように氷河が海に流れ込んでしまうのです」と、アブダラティは説明する。

グリーンランドの気候は、明らかに暖かくなった。ステフェンの観測キャンプの冬の気温は、93年に比べて約5℃上昇し、大西洋の水深数百メートルの水温も0.5℃ほど上がっている。そのため氷河の先端は、空気に触れる上面だけでなく、水中からも解けだしている。フィヨルドに浮いた氷がすべて崩れてしまえば、崩壊の加速が収まる可能性もある。また、グリーンランドの岩盤は、氷床の重みで巨大な盆地のように沈んでいて、その多くが海面下にある。氷河が後退すれば、それを追うように海水が低地に流れ込み、内陸に残った氷をあっという間に海へ滑らせてしまうかもしれない。

今すぐにグリーンランドの氷が解けて、海面が大幅に上昇するということはない。衛星を利用して海面を観測しているスティーブン・ネレムによると、これまでのところは1年に3ミリのペースで海面が上昇しているという。このままなら2100年には海面が約30センチ上昇する計算で、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が今年発表した予測とほぼ一致する。

一方、グリーンランドでの異変を間近で感じている研究者の多くは、2100年までに海面が1メートル上昇する可能性があると考えるようになった。氷河の流速を測定するリグノットは、この予想でもまだ甘いかもしれないと考えている。グリーンランドの氷が解ければ、海面は最終的に3メートル上昇するおそれがあるというのだ。「数百年単位でなく、あと100年でそれだけ上昇するという非常事態もあり得ます」

 観測キャンプへの出発を待っていたステフェンのチームに話を戻そう。観測チームはヘリコプターで8キロほど内陸に向かった。着陸したのは、氷のあちこちに穴が開いた一帯だ。内陸から流れてくる氷の一部は、氷床の「消耗域」と呼ばれるこの辺りで解ける。訪れたのはちょうど8月で、まさに氷がどんどん解けるシーズンだった。広大な氷原のあちこちに解けた水がたまり、一面真っ白な氷の風景の中を縫うように、真っ青な水をたたえた川が流れていた。

 こうして、解けた水が氷の上を流れると、氷床の崩壊にさらに拍車がかかるようだ。ステフェンらが初めてこの負のフィードバック効果に気づいたのは、10年前のことだ。NASAの科学者ジェイ・ズウォリーがGPS(全地球測位システム)を使って、氷河の流速を2年ほど続けて測定したところ、興味深い関係が浮かび上がった。氷の表面が解けるにしたがって、氷河の流れが速まることがわかったのである。
 ズウォリーとステフェンは、表面で解けた水が氷床の底まで浸透し、その下の岩盤との間で潤滑油のような役割をするという仮説を立てた。濡れた路面で車のタイヤがスリップするように、氷と岩盤の間に水がたまると、氷河が滑って流れが速くなると考えたのだ。
この仮説が正しいなら、表面で解けた水は、なんらかのメカニズムで氷床の底まで浸透しているはずだ。夏には消耗域のあちこちに解けた水がたまり、直径何百メートルもの湖ができるが、そうした湖は時に、たった1日で姿を消してしまう。どこかに隠された排水路があるかのようだ。観測チームのヘリコプターが着陸した地点からそう遠くない所に、「ムーラン」と呼ばれる縦穴ができていた。解けた水が小さな隙間に流れ込んで氷をうがち、そこにさらに水が集まって深く大きな穴ができたものである。
ステフェンたちがここに来たのは、穴に流れ込む水の行方を調べるためだった。水は真っすぐ氷床の底に達するのか、階段を下りるように流れ落ちていくのかを確かめたい。水が底にたやすく浸透すればそれだけ、氷河の流速がどんどん加速されると考えられるからだ。

 ステフェンらは氷に固定具を打ち込み、そこに結んだロープを頼りに穴に下りて、内部の様子を探った。下の方は真っ暗だが、水が流れる音がする。目が慣れてくると、穴の大きさの見当がついた。「今まで見たなかで一番大きい。地下鉄の駅ほどもあるムーランだ」と、ステフェンは上にいる仲間に大声で伝えた。

 ケーブルの先にカメラをつけて穴に下ろすと、105メートルほどで何かに突き当たって止まった。穴の近くに設営したテントで、カメラからの映像を見てみると、そこは氷の棚で、周りに砂混じりの水が勢いよく流れていた。断言はできないが、氷床の底の岩盤に近い辺りとも考えられる。浸透メカニズムはまだ完全には解明できていないが、浸透の結果、何が起きたかははっきりしている。最近では氷河の流速は、夏になると通常の3倍にも達するようになった。

 世界地図を見れば、グリーンランドの氷床がもろい理由が推測できる。この巨大な島の南端は、氷に覆われていない米国アラスカ州のアンカレジやスウェーデンのストックホルムとほぼ同じ緯度にある。グリーンランドの氷はあまりに巨大なために独自の気候が生まれ、そのおかげで氷が解けずに残ったのだ。グリーンランド内陸部を覆う万年雪は、光と熱を反射する。しかも氷の厚みで標高が高くなっているために、表面近くの気温が低い。氷の量が圧倒的に多いおかげで、比較的暖かい南部の気候の影響を受けずに氷が残る。しかし、そんな防衛機能も、氷床が小さくなれば弱まってしまう。




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